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256時間目 [ 人材確保等促進税制の要件を確認しましょう ]

2022年05月02日(月) テーマ:法人税
みなさん、こんにちは。

今回は、令和3年度税制改正によって創設された、
「人材確保等促進税制」についてお伝えしていきます。

まず、この人材確保等促進税制ですが、
国税庁のホームページにおける名称は、
「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」
となっております。

また、中小企業者等は、
「所得拡大促進税制」も適用できます。

ちなみに、国税庁のホームページにおける名称は、
人材確保等促進税制と同様に、
「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」
となっておりますので、注意してください。

さて、人材確保等促進税制と中小企業者向けの所得拡大促進税制は、
適用要件が異なります。

人材確保等促進税制は、
「新規雇用者給与等支給額」が前期より2%以上増加していることが、
要件のひとつです。

今回はこの「新規雇用者給与等支給額」がどのようなものか、
見ていきましょう。

新規雇用者給与等支給額を難しく説明すると、
次のようなものになります。

「国内新規雇用者のうち雇用保険の一般被保険者に対して、
その雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額」

国内新規雇用者とは何か、
そもそも国内雇用者とは何か、
給与等の範囲は?
新規雇用者給与等支給額から除外されるものは?など、
このひとつの用語だけでも、
様々な疑問が生じ、それぞれを確認する必要があります。

また、この用語の定義の中で、新たに使われているものが、
「1年以内」というワードです。

ざっくりと認識している方は、
採用してから1年以内の給与と思われていることでしょう。

では、給与の支給方法を、
月末締め、翌月10日払いとしている会社が、
5月5日に雇用した場合はどうなるでしょうか。

最初の支給日である5月末締め、6月10日払いの給与は
当然含まれますが、
1年後の4月末締め、5月10日払いの給与は、
支給日が雇用日から1年を超えています。

もし、この翌年5月10日払いの給与が含まれないとすると、
月末締め月末払いの会社と、
月末締め翌月10日払いの会社で、
対象となる給与が異なることになります。

一方、
給与を費用として経理処理するタイミングとして、
支給日ベースの会社と、
給与の締め日で未払給与を計上する会社があると思われます。

経理処理するタイミングで、
取り扱いに違いはないのでしょうか。

このように、
具体的に対象となる給与を算定しようとすると、
個別に考えていかなければならないことが
たくさん生じてきます。

なお、税額控除の金額に算定に用いられる、
「控除対象新規雇用者給与等支給額」は、
「新規雇用者給与等支給額」と
除外する助成金などの内容が異なります。

適用要件の確認や
税額控除の算定において、
いろいろな用語が使われており、
それぞれで細かい規定が設けられていますので、
用語の定義をしっかりと確認してください。

この人材確保等促進税制は、
今回のみの制度になると思われます。

来年については、
改めて令和4年度税制改正の内容を、
チェックしてみましょう。

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