87時間目　[ 社会保障・税一体改革素案　～詳細編②～]

社会保障と税の一体改革大綱が、
2月17日に閣議決定されました。

これからの与野党協議の動向に
注目していきましょう。

さて、
とりあえず今回は、前回に引き続き、
『社会保障・税一体改革素案』についてみていきます。

前回の消費税以外の注目点は、
まず「所得税の最高税率引き上げ」です。

これまで最高税率は40％でしたが、
課税所得5000万円超について、
45％の税率を設けると記載されています。

次に「相続税の基礎控除引下げ」です。

これまで、
「5000万円+1000万円×法定相続人数」でしたが、
「3000万円+600万円×法定相続人数」とするようです。

これにより、
これまで相続税の申告対象となる方が、
当然増えると予想されます。

改正後はこの内容をしっかり伝えていかないと、、
「従来の計算で考えていたため、
申告書の提出を失念してしまった」というような
事態も増えるのではないでしょうか。

また、「死亡保険金の非課税限度額」は、
「500万円×法定相続人」で計算されますが、
この素案では、
未成年者や生計一の者などの法定相続人以外は、
法定相続人であってもこの計算から除かれることとなっています。

これから保険に加入される方だけでなく、
すでに加入している方も、
ご心配の際は保険会社に確認されるとよいでしょう。

最後に、
「相続税と贈与税の税率」ですが、
所得税同様、最高税率が引き上げられています。

事業承継やご子息などへの財産の引き継ぎをお考えの際は、
今回の変更内容も考慮していくべきと考えます。

簡単にご説明しましたが、
いずれにしても、この「社会保障・税一体改革」については、
まだ内容に変更がある可能性があります。

これからの推移をみながら、
必要に応じてお伝えしていきますね。